第4章 選択力を鈍らせる5つの落とし穴
- 私たちが知らないうちにとらわれている思い込みは、判断する力を鈍らせ「後悔する選択」を招きます。しかし、対策はあります。それらの思い込みはその存在を知り、常に自覚することで、克服することができるのです。
- あなたの選択力を鈍らせる5つのバイアス
- 思い込みや思考の偏り(バイアス)は、私たちの選択に深く関与します。そして、こうしたバイアスは特に精神状態が不安定なときに大きな影響を及ぼすことがわかっています。
- 心に余裕がないときほど脳が楽をしようとして、バイアスをかけて日合理的に物事を判断するようになるのです。
- 以下の5つのバイアスは「後悔する選択」を招く代表的なバイアスです。
- これらをよく知り、対処法を学ぶことによって、どんな心理状態でも合理的な判断ができるようになります。
- 落とし穴① 感情バイアス
- 人間の感情は、常に変化しています。気分がよいとき、、悪いとき、焦っているとき、平常心のとき・・・。そうしたさまざまな感情の変化が、私たちの選択に影響を及ぼします。
- バイアスは地頭のよさや学習能力の高さとは関係なく、特定の状況下で人の選択力、判断力を惑わせるのです。
- 気分によって同じ出来事の受け止め方が180度変わってしまう。
- 怒り、焦り、不安、喜び、甘えなどの感情は、それらが生じているときの人間の選択に強い影響を与えます。感情的要因による意思決定や認知の歪みが、感情バイアスです。
- 自分の認知、判断が感情に左右されることがあると自覚すること。
- ストレスが大きいときに大切な選択をしないこと。
- 感情を見方につけて、バイアスにうまく対処する。
- 「このストレスの力で、自分はよりよい選択ができるようになる」と考えてみましょう。
- ストレスを目の前の難題にチャレンジするためのスイッチとして、ポジティブにとらえるようにするのです。
- もしストレスを感じる事態に直面したら、自分の気持ちをありのままに書き出していきましょう。これは心理学で「エモーショナル・ディスクロージャー」と呼ばれる手法です。
- 落とし穴② プロジェクションバイアス
- 明日の自分、明後日の自分、1ヶ月後の自分。人は今よりも未来はもっと幸福になりたいと思うもの。しかし、そんな将来のビジョンすらも、バイアスに影響されてしまうことがわかっています。
- プロジェクションバイアスは、今、この時点での感情をベースにして、「未来もきっとこうなるだろう」と見積もって選択してしまう現象のことです。
- その結果、必要以上に悲観的、楽観的になったまま意思決定を下し、将来に後悔する選択をしてしまうのです。
- 人間の感情は良くも悪くも長続きしにくいようにできています。それにも関わらず、今の自分の感情がずっと続く、そして、その感情を生み出した状況(仮想通貨が上がり続ける)も続くと根拠なく信じてしまうのです。
- プロジェクション・バイアスが働く状態に陥ったとき、「選択する状況と、それによって起きる未来の状況をできるだけ近づけるといい」
- なぜなら失敗が起きるのは、今の状況と未来の状況がかけ離れているからです。
- シチュエーションの変化を読書で疑似体験する。
- ドラマチックな経験のない人にとっては、感情の上下動を予測して対処するのは難しい。そんなときに役立つのが読書です。
- ドキュメンタリーやルポ、小説などを読むことで、最悪な状況になったときに日とがどんな心境になり、どんな状況に追い込まれるのかを疑似体験することができます。
- 倒産を経験した起業家の本、複数回の転職に成功した人のブログ、恋愛の機微を描いた映画、こうした数々の物語に「もしも自分だったら?」という視点で触れていくことで、プロジェクションバイアスを避けるヒントが得られるはずです。
感想