結論
人間の脳には2つの力がある。「獣」本能。超パワー。省エネ。難しいのが嫌い。いにしえの力。「調教師」理性。非力。大飯食らい。論理的。最近できた力。遺伝子に刻まれた2つのシステムを使いこなして、今だあなたの知らない超スピードの「はかどり」を体験せよ。
理由
「獣」を導ければ莫大なパワーが得られる。本書の内容を実践すれば、あなたの内なる獣のパワーを我が物にし、現代でもっとも重要な資産を手に入れることができるから。
具体例
- 150~200mgのカフェインを飲むと約30分で疲労感がやわらぎ、注意力の持続時間が向上する。
- カフェインの集中力アップ効果は、ベースラインから5パーセント前後だと思われる。
- 一度にコーヒー2本(カフェイン400mg)以上を飲まない。
- 起床から90分はカフェインを飲まない。
- 緑茶に含まれるリラックス成分「テアニン」と一緒に飲むと、カフェインだけ飲むより4パーセント集中力アップ。
- 食べるだけで脳機能が上がる魔法の食事。オリーブオイル、野菜、魚介類、「地中海食」で集中力が上がる。
- 地中海食を徹底するほど脳機能が改善し、ワーキングメモリ、注意の持続セルフコントロール能力などが向上する。その効果は国籍、性別、年齢問わずに確認された。
- 脳にいい食事を続ける超簡単なルール「MIND」。1、脳に良い食品を増やす。2、脳に悪い食品を減らす。3、カロリー制限はしない
- 全粒粉物/ベリー類=握りこぶし1個ぐらい。葉物野菜/その他の野菜=両手のひらに載るくらい。鶏肉/魚介類/豆類=片方のひらに載るくらい。ナッツ類/オリーブオイル=親指くらい。
- 脳を変えたいなら「食事日記」が最強のソリューションである。
- 毎日の行動を記録したほうが、健康的な食事の量は増える。記録の回数は多ければ多いほど食事習慣は改善する。
- ゲームは脳を気持ちよくさせる最強のテクノロジーだ!最大のポイントは、「報酬の予感」を自己の管理下に置けるかどうかです。
- 基本的な戦略はシンプルに1、役に立つ「報酬の予感」を増やす。2、役に立たない「報酬の予感」を減らす。
- 集中力を保つには難しすぎず、やさしすぎない難易度のスイートスポットに納めないといけません。
- 一見無駄な「マイ儀式」に隠された効果が次々に明らかに。
- 「マイ儀式」づくりの2条件。1、この動作をしたら大事な作業に取り組むと決めておく。2、決めた手順を何度もくり返す。
- 朝イチは簡単なタスクから手をつけると集中力が加速する。「できた!」を繰り返し記録して達成クセをつける。
- 耐えられる我慢が、心を強くする。好きなお酒をちょっとだけ我慢する。聞き手ではない方のマウスを操作する。背中が曲がっていることに気がついたら背筋を伸ばす。これらは正式な実験で集中力アップが証明されたものばかりです。
- 「なりたい自分になる」ためには物語が利く。1、集中力アップに役立つ新たな「物語」を作る。「物語」に沿った行動を続けて獣を説得する。やがて獣が「新しい物語」を受け入れてくれれば、集中力の低減は限界まで防げるようになります。
- ステレオタイピング、「有能な人を思い描くだけでも人間のパフォーマンスはアップする」という現象を指す言葉です。
- ジョブ・チェンジグ、問題のタスクに対して新たな「肩書き」をつける。具体的に病院の清掃員を清掃は治療のプロセスであり、あなたたちは「病院のアンバサダー」です。といって肩書きを与えたところ、モチベーションが激変、汚れていたトイレがピカピカになったそうです。
- 指示的セルフトーク、集中したい動作をあらためて言葉にすること。なぜ集中力が落ちたのか?作業が難しいからか?それともなにかにじゃまされたからか?こうやって粘り強く「獣」を導きます。
- 集中力が高い人たちの中に紛れ込む。無心に勉強する人たちが集うカフェにいく。同じ目標を持つ人たちがしのぎを削るコミュニティに参加する。会社内のハイパフォーマーと友人になる。
- 「自制」するには「自省」が欠かせない。あなたの感情を正しくコントロールするには、自分をじっくりと観つめる作業が欠かせません。
- デタッチド・マインドフルネス。思考や感情から距離を置いて、ひたすら観察に徹する行為。
- 数あるストレスのなかでも、「自責の念」はもっともたちが悪い。
- 「諦めて休む」、最善を尽くしてやったなら、長い人生においては諦めて休むほうがいい場面が必ず訪れます。
感想
人間の脳を独自の視点で考えて「獣」と「調教師」という立場でとらえるのがまず面白いし秀逸、このへんはさすがのオリジナリティであり、他のどこからかパクってきたような考え方をしないのはそれだけ論文を読みこなしてきた「厚み」を感じる。具体例もわかりやすくエビデンス(科学的に立証された)のあるものが数多く書かれており実用性も高いと感じる一冊でした。読んでもらいありがとうございます。なにかあなたのお役にたてれば幸いです。